神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001
2021年8月20日
暑い日が続いていますね。熱中症にはお気をつけくださいね。
今年は病院でアサガオを育ててみています。無事キレイな花を咲かせてくれて、最近は種を少しずつ収穫しています。
今回は便秘について書いてみようと思います。
「便秘」とは実は共通の定義が無いちょっと曖昧な言葉なようです。調べてみると「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」などと定義されているようです。
実際どれくらい便が出ないとまずいの?これって便秘なの?という質問が時々あります。個人的には「毎日1日に必要な量のご飯を食べていたら、1日1回は便が出る。」というのが正常なのかなと思います。「便が2〜3日に1回しか出ない」、「便がすごく硬くて出しにくそうにしている」などがあれば便秘もしくは便秘気味なのかなと思われます。ただ便の量は食べ物の種類、消化具合によっても変わります。ご飯を何日も食べて無いと便自体ができませんので、何日も便をしない状況になることもあります。時々これを便秘だと言われる飼い主様もいらっしゃいますが、便秘ではなく他の病気の可能性が高いので、他に症状やきっかけが無いかチェックして、かかりつけの先生にご相談ください。
便秘は放っておくと、大きなトラブルに発展することがありますので、早めに気づいてケアしていくことが大切です。初期のケアとしては、食事療法が効果的なことが多いです。肥満症は便秘を始め様々な病気のリスクを高めますので、太らせないことも大切なケアとなります。(その他、人と同じで、水分をしっかりとる、運動をする、お腹のマッサージも効果があるのでは?と考えられています。)
重症な患者さんは猫ちゃんに多いのですが、ある程度進行すると、お腹がはって痛い、食欲が無くなる、吐く、トイレに何度も行くけど出ない、排便痛などの症状が出ます。更に悪化すると、自分では全く便が出せなくなり、定期的に病院で便を掻き出してやらなくてはならなくなることもあります。
↑正常な子のレントゲン写真・赤く囲っている部分が便
↑便秘の子(巨大結腸症)のレントゲン写真・赤く囲っている部分が便で、お腹の中を大きく占めていることがわかります
下の写真の子はひどい便秘症で、食事療法やお薬を試したのですが、あまり効果が無く、定期的に便をかき出してあげていました。しかしストレスが大きかったため、手術をして大腸の大部分を摘出するという手術を実施致しました。以降、食事療法は続けていますが、自力で排便することができています。
※手術にはメリットとデメリットがありますので、かかりつけの先生とよくよくご相談をください。なるべく重症化させないよう、早めに気づいてケアをしてあげることが大切です
※初診の方のお電話での詳しい相談はご遠慮願います。まずはかかりつけ医とご相談ください。それでもお困りでしたら診察を受けて頂き、直接お話をさせてください。
2021年5月7日
今年もゴールデンウィークが終わりました。冬に葉っぱが全て落ちてしまい、ダメになってしまったのかと心配していた紫陽花が、今年も綺麗な花を咲かせてくれようとしています。
今回は、チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出・逸脱)について書いてみようと思います。
ワンちゃん、ネコちゃんの眼には人には無い構造物がいくつかあります。その1つが第三眼瞼(だいさんがんけん)もしくは瞬膜(しゅんまく)となります(第三眼瞼=瞬膜)。第三眼瞼つまり第3のまぶた、その名の通り3枚目のまぶたがワンちゃん、ネコちゃんを始め多くの動物に存在しています。その第三眼瞼の根元部分にある涙を分泌する第三眼瞼腺がひっくり返って出てくるのが、チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)というトラブルです。
↑左目の内側から出ている眼を覆う膜が第三眼瞼です。こちらは充血しています。
↑こちらは逆側の右目です。瞬膜腺がポコっと出ています。チェリーアイです。
チェリーアイは、ビーグル、アメリカン・コッカー・スパニエル、ブルドッグ、チワワなどの犬種に見られ、特に若いワンちゃんに多くみられます。先天的に第三眼瞼腺の固定が脆弱なことが原因の1つと考えられています。また年齢に関係なく目の炎症や外傷などによっても引き起こされることがあります。
症状としては、第三眼瞼腺が腫大し、第三眼瞼から飛び出して赤く腫れあがった状態になります。この結果、腫れあがった第三眼瞼腺が目を直接刺激することや、目の不快感でワンちゃん自身が目をこすったりするために涙が出たり、結膜炎や角膜炎を併発することがあります。多くの場合、目に何か出来物がある、目が腫れている等でご相談を受けます。
治療法はいくつかあります。点眼薬や内服薬の投与により、飛び出した第三眼瞼腺の炎症を軽減させる。大人しい子でしたら局所麻酔のみで反転した第三眼瞼腺の位置を戻すなどがありますが、再発しやすいです。再発をくり返す場合や、完治しない場合には外科手術によって固定・整復が検討されます。手術法は以前は切除が行われることもあったようですが、近年では第三眼瞼腺が涙の多くを産生している組織であり、切除することにより、ドライアイの原因となりうるということがわかったため、切除をせずに固定術を実施することがすすめられています。そのままにしておくことでもドライアイの発症リスクがあがるため、可能なら積極的な治療が検討されます。外科手術の場合は基本的には全身麻酔が必要となりますので、麻酔をかけられる状態なのかも含めてのご相談となります。担当の先生によって、色々なご意見があるかと思われますので、担当の先生と治療に関してよく相談してみてください。
↑チェリーアイになった子の第三眼瞼をめくった状態です
↑第三眼瞼を元の状態に戻して、固定した所で
※初診の方のお電話での詳しい相談はご遠慮願います。まずはかかりつけ医とご相談ください。それでもお困りでしたら診察を受けて頂き、直接お話をさせてください。
2021年4月4日
春ですね。ウチの病院の桜も満開となり、小さなお花見を楽しんでいます。
今日は「腸重積」というちょっと珍しい病気について書いてみようと思います。
腸重積とは、腸の一部が腸管内に入り込んでしまい抜けなくなった状態をいいます。治療には多くの場合手術が必要になるような重篤なトラブルです。
腸重積が発生する原因としては、異物、感染症(ウイルス、寄生虫など)、腫瘤などが挙げられます。ただこれらのトラブルがあるから必ずしもなるというわけでもなく、珍しい病気ではあります。運の要素も大きいのかもしれませんが、予防のためには異物の誤食を気をつける、ウイルス疾患の予防の為のワクチン接種や、特に若い時期は寄生虫が多いので駆虫の実施。胃腸のトラブルがあるようなら早めに治療を受けるといったことが考えられます。
症状は、嘔吐、下痢、元気消失、食欲不振、腹痛などが見られます。どんどんぐったりとしていき、ショック状態となり最終的には亡くなってしまいます。
急に何回も吐き始めて、ごはんを全然食べない。元気が無く動かない。お腹を丸めて痛そうにしている。水もほとんど飲めない。どんどん調子が悪くなっている。など飼い主さんからお話を受けることがあります。
診断にはまずは身体検査や問診を実施しますが、レントゲン検査(バリウムやガストログラフィンなどでの造影検査)、超音波検査などの画像診断が有用なケースが多いです。全身状態の把握や他の病気が無いかチェックをする為、血液検査や尿検査などが実施されるケースも多いかと思われます。
↑とてもわかりにくいですが、超音波検査での重積部の画像です。腸管はちくわみたいな管状の臓器で、重積するとちくわの中にちくわが入っているような画像となります(わかりにくい)。
治療は基本的には手術となります。重積により血行障害が起こり、腸管が壊死を起こしているケースも多く、部分的な腸管の切除が必要となるケースが多いです。
改めて腸重積は急に起こる重篤なトラブルとなります。担当の先生に「緊急手術が必要な状態です」と言われびっくりしてしまうかもしれません。昨日まで元気だったウチの子が何で?と思われるかもしれませんが、まれに前触れも無く起こってしまいます。どのようにしてあげるのが良いか、ご担当の先生とよくよくご相談して頂ければと思います。
(※下は手術の写真がありますので、苦手な方は見ないでください。)
2021年3月18日
早咲きの桜が花をつけはじめ、野原につくしも見られ、春らしくなってきたように思います。お散歩していてもとても気持ちが良いです。皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回当院にお車でいらして頂いております皆様に再度お願いとご案内があります。
※停める場所を間違えた場合、駐車場の契約者様・持ち主様に多大なご迷惑をおかけすることとなります。場合によっては警察の立ち合いの下、ご相談することとなるかもしれません。
※駐車違反は法律違反ですので、罰金等の指導を受けられているケースがございます。
ご不便をおかけしておりますが、宜しくお願い申し上げます。
ご近隣の皆様もご迷惑をおかけして申し訳ありません。
横浜もみじ動物病院
院長 中西啓介
2021年1月28日
寒くて乾燥した日が続いています。喉が弱いウチの家族にはツラい時期です。ということで?今回は呼吸器(鼻、喉、気管など)の病気を1つピックアップして書いてみようと思います。
皆さんは短頭種という言葉をご存知でしょうか?フレンチ・ブルドッグ、イングリッシュ・ブルドッグ、パグ、ボストンテリア、シーズーといった鼻ペチャの犬種のことを言います。鼻ペチャで愛嬌のある短頭種ですが、覚えておいて頂きたい病気があります。それが「短頭種呼吸器症候群」です。
短頭種呼吸器症候群は、短頭種特有の頭周りの構造が原因で起こってしまう呼吸器のトラブルです。外鼻孔狭窄(鼻の穴が狭い)、軟口蓋過長(喉周りの鼻と口を分ける部分が異常に長い)、気管低形成(気管が細い)、気管虚脱(本来硬くなければならない気管が軟らかくなり変形してしまう)他、様々なトラブルが複雑に絡み合って起こる病気です。
2020年12月11日
12月に入り今年もあと少しですね。鬼滅の刃ブームで、妻と子供達もハマり一緒に見ました。最近は私も感化されてこっそり全集中の呼吸(ホントは腹式呼吸)を練習しています。
今日は、あまり多くはないのですがネコちゃんの膿胸について書いてみようと思います。膿胸とは胸の中に膿が溜まってしまう病気です。多くの原因は外傷、ケンカとされています。お外で過ごすネコちゃんは怪我をして病院に来られることが多いのですが、まれにバイ菌が胸の中まで入ってしまい膿胸を発症してしまうケースがあります。
2020年8月29日
こんにちは。横浜もみじ動物病院です。
今日は犬猫のワクチン抗体価検査についてのお知らせです。
2020年9月1日から健康診断の血液検査とセットでワクチン抗体価検査(コアワクチンのみ)を行うことができるようになりました。(オプション料金です)
2020年7月13日
今日は2019年1月から膝の痛みで鍼治療を受けているチワワとシーズーのミックス犬(当時8歳)のご紹介です。
1年前から歩くのが遅く同居犬と遊ばなくなり、歩行の仕方もおかしくなった為かかりつけ動物病院を受診したところ、膝蓋骨脱臼という診断でした。
痛み止めやサプリメントも使っていましたが痛みも強くなってきた為鍼治療の相談で来院されました。
2020年5月25日
左前肢のびっこと頭が下がって元気がなかったミニチュアダックスフントさん(12歳)の紹介です。
初診来院時の3週間ほど前から前述の症状があり、抱っこの仕方によってキャンと痛がり、かかりつけ病院にて検査と痛み止めを飲ませていたのですが改善しないとのことで鍼治療のご相談で来院されました。