神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001
2022年2月3日
今回は異物誤食について書いてみようと思います。
異物つまり本来食べてはいけないもの誤って食べてしまうこと(異物誤食)は、わんちゃん・猫ちゃんを飼っていると比較的よく経験することです。特に若い内は好奇心が旺盛で、何でも口にしてしまいがちです。本当に「え?なんでこんなものを!?」というような物を食べてしまうことがあります。当院でもしょっちゅうこの異物誤食を経験します。例えば、小石や竹串、梅干しの種、おもちゃ、ヒモ、スーパーボール、肥料、ご家族が飲んでいる薬、洗剤、電池などなどです。
異物を誤食した際、それが大きな物だと腸閉塞を起こしたり、それが中毒物質だと胃腸を溶かしたり、発作を起こしたり、腎不全を引き起こしたり、様々な怖いことが起こり、場合によっては命を落としてしまうことや、後遺症が残ってしまうことがあり、心配なトラブルとなります。
異物を食べてしまった時の対処ですが、基本的には食べてしまったら、なるべく早めに適切な処置をとることが重要です。おもちゃや石、竹串など飲んだ直後、胃の中にあるだけだと特に症状は出ないことがほとんどです。症状が出るのは、おもちゃや石なら、胃の入口や出口あるいは腸に詰まってしまった。竹串なら胃を貫通したなどが起こった時となり、かなり重症で命に関わり緊急手術が必要となります。なので症状が出る前の元気な内に、除去することが重要となります。中毒性物質に関しても、例えば最近はほとんど見かけなくなりましたが、エチレングリコール(不凍液)を誤食した際には、数日後症状が出てからでは手遅れとなるので、飲んだらすぐに治療を開始することが望まれます。
おもちゃや石などを除去する方法には、「吐き気を催すお薬を投与」することで吐かせるという方法がまず挙げられます。それでも出ない時には全身麻酔をかけて胃カメラで除去するという方法があります。それでも出ないようなものの場合には胃を切って取り出すという方法が検討されます。
それぞれの処置にはメリットとデメリットがあるので、異物がどんなものであるかで、治療方針を検討する必要があります。場合によっては敢えて様子を見て、便から出てくるのを待った方が良いというケースもあります。そこで重要となるのが、本当に食べたか、丸飲みだったのか、小さくしてなのかとなります。これは飼い主さんにしかわからない(飼い主さんもわからないことも多々ありますが)ことなので、よーくよくご家族や部屋の中をご確認ください。レントゲン検査でわかるケースもありますが、基本的には金属や骨などの密度の高いものに限られてしまいます。