当院の手術について|横浜もみじ動物病院|都筑区仲町台|犬猫|鍼灸・漢方・ペットホテル

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ハスミドミトリー001

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15:00~19:00

休診日:水曜
:院長診療は予約優先制です。予約なしでも受診いただけます
:完全予約診療・初診の方は18時、再診の方は18時30分が最終受付となります(急患の場合はご相談ください)

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当院の手術について
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手術に際して

当院の手術について

安心安全な治療を目指して

当院では、動物にとっても飼い主さまにとっても安全で安心できる手術を行うために、一頭一頭に対して、麻酔管理を含めた手術計画を立てています。動物たちにとって負担が少なくなるように的確で安全な手術を目指し、周術期の痛みや、悪心、不安感などについても配慮していきます。

当院の手術について

手術の立ち会いについて

手術の際は基本的には、ご自宅などで待機して頂いております。必ずすぐにご連絡がつながるようにしてください。

ご希望がある場合は、待合室にてお待ちいただくことも可能です。
手術の内容については、疑問が残らないよう、術前、術後に丁寧にご説明させていただきます。

一般的な手術の流れ

術前検査 手術の前には、問診・視診・触診などの一般身体検査や、血液検査を行って準備を整えます。手術や麻酔はどうしてもリスクが伴うものなので、これらの検査をもとに考えられるリスクを把握して手術や麻酔の計画を立てていきます。
場合によっては、上記検査のほかに、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査などさらに詳細な検査を行います。
術前準備 手術前に食事・飲水の制限が必要となります。手術内容によって変わりますので、事前に指示をさせていただきます。必要に応じて自宅にて術前の栄養剤給与をお願いしております。
手術中のリスクを少しでも減らせるように、動物たちの状態に適した抗生物質や消炎剤、鎮痛剤、鎮静剤、制吐剤、胃酸抑制剤、点滴などを術前から投与します。
麻酔導入 注射や吸入麻酔薬など、動物の状態に合わせた麻酔薬・方法で導入を行います。麻酔薬の効果には個体差があり、同じ薬で同じ用量でも効果が異なることがあります。呼吸停止、不整脈、低血圧、アレルギーなど様々な有害な反応が起こることもあります。麻酔薬の効果を予測しつつ、動物の反応をみて、適切な麻酔導入が行えているか評価しながら実施していきます。麻酔薬は使ってみないとわからない部分がありますので、導入時は特に注意しながらすすめていきます。

基本的には導入時に気管チューブを挿入して、気道をしっかり確保した状態で麻酔管理を行います。
麻酔維持 麻酔導入後は、手術が適切に行えるように麻酔深度の調節や痛みのコントロールをしていきます。ほとんどの場合、人医療でも用いられる安全性の高いガス麻酔で麻酔維持を行います。状況に応じて鎮痛薬を持続点滴もしくは随時投与し、痛みのケアを行っていきます。手術中は予定通りに麻酔が安定しているか、聴診・視診・触診をはじめとした五感と、心電図、血圧、呼吸数、酸素飽和度などが確認できるモニターで監視していきます。
手術 手術には様々な注意点があります。その1つに感染があります。手術部位にもよりますが、動物は被毛で覆われているため、術前に手術する部位の被毛を十分に刈り、感染ができるだけ起こらないように消毒をします。また消毒されていない部位に接触しないように滅菌布をかけて、滅菌された器具を使用して、手術を行っていきます。

生き物である以上絶対はなく、さまざまなイレギュラーが起こりえます。手術に臨むにあたり、動物たちにとって何が良いかを考えながら手術をしていきます。もちろん基本は手術の目的をしっかりと果たすことですが、できたら負担が少なくなるよう痛みのコントロールをしたり、手術部位を小さくしたり、手術時間を短くなるようにしたりと努力しています。麻酔が安定しないなど、不測の事態が起こった場合には動物たちの命が最優先ですので、手術自体を中止させていただくこともあります。
覚醒 麻酔に関するトラブルが起こりやすいのは、麻酔導入とこの麻酔が覚めるまでの時間「覚醒期間」となりますので、経過を注意深く見守っていきます。
手術後に麻酔が覚めると、痛みを感じ始めたり、いつもとは違う光景に不安を覚えたりします、場合によっては鳴いたり暴れたりすることがあります。なるべくこういったことがなく穏やかな覚醒が得られるように事前の麻酔計画を練って実践していきます。
術後のケア なるべく早く元気になって、自宅で過ごせるようになっていただきたいと考えており、早期の栄養給与、痛みの管理をはじめとしたさまざまな術後ケアを実施していきます。ご自宅での管理が難しい、ご不安があるなどがありましたら、相談に応じてしばらくお預かりさせていただくこともあります。

周術期管理について

痛みに対するケア

周術期管理とは、手術を受ける動物の周術期(手術前、術中、術後の一連の期間)期間中に行われる、(1)術前:評価・手術に向けての準備、(2)術中:麻酔、(3)術後:疼痛・呼吸管理および重症管理、のことを指します。当院における安心安全な治療を目指しての周術期管理法についてのいくつかの項目をピックアップしてご説明致します。

疼痛管理について

当院では痛みのケアを積極的に行うことで、動物たちに起こる様々な弊害を減らすよう努めています。

痛みによる弊害

交感神経の緊張亢進
心拍数増加、血圧上昇、末梢血管抵抗の増加
心臓や腎臓に過剰な負担がかかる
体内異化亢進&タンパク質分解反応増加
傷口の治癒が遅くなる
血液凝固反応の亢進
血管が詰まり血栓ができやすくなる
元気・食欲低下

疼痛管理方法

先制鎮痛
痛みが生じる処置(手術など)を行う際に、あらかじめ鎮痛剤を投与する方法です。痛みが出た後での鎮痛剤を使用するよりも、痛みが出る前に鎮痛剤を使用した方が効果的とされています。
マルチモーダル鎮痛
痛みは、「痛みの受容器-神経伝導路-中枢」のどこかの経路に加わった刺激が、痛みを感じる中枢つまり脳で認知されることで発生します。鎮痛剤は、これらの経路に作用することで効果を発揮するのですが、作用部位は様々です。様々な作用部位を持つ、複数の鎮痛剤・投与法を適切に組み合わせることで、より効果的で副作用の少ない鎮痛が得られるようになります。

疼痛管理に使用する薬剤
(鎮痛剤)の種類

オピオイド
トラマドール、フェンタニル、ブトルファノール、ブプレノルフィンなど
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
カルプロフェン、フィロコキシブ、ベナコキシブ、メロキシカムなど
局所麻酔薬
ブピバカイン、リドカインなど
その他
ケタミン、メデトミジンなど

栄養管理(給与)について

周術期栄養給与について

麻酔の大きな合併症である誤嚥性肺炎の予防のため「麻酔前は12時間の絶食・絶水」がすすめられてきましたが、最近の研究では絶食・絶水は変わらず必要ではありますが、長過ぎても良くないということが言われるようになってきました。
当院では、手術内容に応じて麻酔の4時間前に流動食を与えていただくことをご提案しております。

術前の栄養給与のメリット

・誤嚥性肺炎のリスクの低下
・空腹による動物の不快感の軽減
・飼い主さまの不安感の軽減
・手術のダメージからの早期回復 など

犬と猫の避妊・去勢手術について

精巣または卵巣(もしくは卵巣・子宮)を取り除く手術です。発情に伴う動物自身そして飼い主さまのストレスの軽減や、様々な病気の予防ができます。
手術を受けられるかは、ご家庭でワンちゃんネコちゃんとどのように付き合っていきたいかや、そのメリット・デメリットをよくご検討いただき、ご選択いただいております。

メリット

避妊手術(♀)
希望しない妊娠の回避
女の子特有の病気(乳腺の腫瘍や子宮・卵巣の病気)の予防
猫の発情期特有の行動を抑制(大きな鳴き声など)
犬の発情期に見られる出血の防止
去勢手術(♂)
攻撃的な性格が柔和に変化
マーキング行動(尿をいろんな場所にかけること、猫でのスプレー行動)を抑制
ケンカの要因になる縄張り意識の減少
男の子特有の病気(精巣・前立腺の病気)の予防
          

デメリット

残念ながら合併症が起こり得ます。様々な合併症がある中で特に怖いのは、予期が難しいもの、実際やってみないとわからないものとなります。例えば、麻酔薬は手術を行う上でとても有用なお薬ですが、脳、心臓、呼吸器といった生命活動とって重要な臓器の働きを抑えてしまいます。薬の効果の強さは動物たちによって異なってしまいますので、体質によって薬が効きすぎてしまった場合、徐脈、不整脈、呼吸抑制などが起こり、最悪死亡してしまうことも、極めて稀ですがあります。麻酔薬に対しての重篤なアレルギー反応、アナフィラキシーショックなども存在します。

怖い話をして申し訳なく思いますが、デメリットについて記載しないのは不誠実と考え記載しております。もちろん合併症が起こらないよう、できる限りの予防をさせていただいております。

避妊・去勢手術に適した時期について

当院では男の子・女の子ともに生後6~12ヶ月を目安としています。
女の子の場合、合併症の尿漏れのリスクが一番低い時期とされています。また2回目の発情前までに手術をすると、乳腺腫瘍の発生率が大幅に低下するとされており、多くの子ではこの時期に1回目の発情が起こります。1回目の発情の前か、発情がきましたら少し間をあけて2回目の発情の前までにご提案しております。
※発情期でも手術は可能ではありますが、ホルモンバランスの乱れからの体調の変化や出血のリスクが上がるためなるべく避けていただいております。
男の子の場合、スプレーやマーキング行動が起こる時期となります。起こる前に実施すると癖付きにくくなります。
小型犬の場合、乳歯が抜けず残ってしまうことがあります。歯周病や不正咬合の原因となります。この時期に永久歯が生え揃いますので、乳歯が残っている場合は同時の処置をご提案しています。
手術を受ける子の体調が良い時をご提案しております。
手術が近くなりましたら、いつもと違う食事やオヤツをたくさん与える、遠出をするなど体調に影響するようなことは控えてください。
飼い主さまのご予定が空いている時をご提案しております。
手術後の体調の変化に対応できるようお願いします。飼い主さまのお出かけ中の手術、手術後すぐにお出かけを計画されている、お仕事などがとても忙しくて日中病院の受診が難しいなどがある時は、オススメしておりません。

上記のことは目安となり、動物の状態や、飼い主さまのご事情・お考えなどで時期をご相談しております。

避妊・去勢手術の流れ

術前診察 手術をご希望の際にはまず事前診察をお受けいただいております。
問診・身体検査のほか、術前検査として血液検査を実施させていただいておりますので、12時間絶食をしてご来院ください。血液検査は基本外注検査で実施しております。1週間程度で結果が出ます。必要に応じて追加検査をご提案する場合もあります。

診察時もしくは後日ご相談いただき、手術の日程を決めさせていただきます。
手術前 体調が良くない場合、手術を延期させていただくことがあります。予定日が近づきましたら、いつもと違う食事やオヤツをたくさん与える、遠出をするなど体調に影響するようなことは控えてください。
手術前日21時以降は、水以外のごはん・おやつをあげないでください。麻酔に影響が出る可能性があります。
手術当日 指示をさせていただきました子は、朝8時頃に朝ご飯の代わりに栄養剤を与えてください。栄養剤に含まれる大豆や牛乳にアレルギーありそうな子などは絶食とさせていただいております。お水も朝8時頃までにおしまいにしてください。
午前中のご予約をいただいた時間にご来院ください。
術前準備
~麻酔
手術当日の状態を再度チェックさせていただき、お昼(基本12時~15時の間に実施いたします)の手術にむけて準備をしていきます。動物たちの状態に合わせて、抗生物質や消炎剤、鎮痛剤、鎮静剤、制吐剤、胃酸抑制剤、点滴などを投与し、麻酔をかけます。
手術(術式) 女の子の場合、基本的に子宮を残す「卵巣摘出術」を採用しています。子宮はお腹の中で膀胱を固定する役割も担っていると考えられているためです。卵巣のみの摘出でも、避妊の効果は十分に得られるといわれています。子宮卵巣を両方とも取る「子宮卵巣全摘出術」についても対応しており、必要と判断された子、ご希望があった子には実施しております。

男の子の場合は、精巣を左右ともに摘出します。精巣がお腹の中から降りていないケースもありますが、ホルモンは分泌されているため、開腹して摘出します。

体内に残るような糸は、時間の経過とともに溶ける吸収性の糸を使っています。
お迎え 基本的に安静のため1泊入院し、体調がよければ翌日の診察時間内のお迎えとなります。男の子のネコちゃんは当日夕方のお迎えとなります。

手術後に元気が良すぎて安静にできない場合は、当日退院いただくケースもあります。
抜糸 傷の状態が良ければ、手術7~10日後に抜糸を行います。男の子のネコちゃんは抜糸なしです。

避妊・去勢手術に関しての注意点・よくある質問など

手術後2~3日は安静に
気管チューブやガス麻酔の刺激、入院・手術のストレスで、喉や気管に炎症が起こるケースがあります。また激しい運動をするとまれに傷口から出血することもあります。特に手術後2〜3日以内に起こりやすいので、元気であってもなるべく安静にしてください。
食べ物
退院後はどうしても少し元気や食欲がなくなることがあります。麻酔薬や入院・手術のストレスでお腹動きが悪くなったり、胃腸の免疫力が下がったりするためです。胃腸に負担がかかるようなもの、例えば脂っこいものやいつもと違うものを与えると、より胃腸の調子が悪くなりやすいので、いつも通りのフードを与えてください。
傷口のケア
ワンちゃん、ネコちゃんは傷口を気にしてなめてしまうことがあります。本来は治すための行為ですが、これがかえって傷を悪くしてしまいます。場合によっては傷が開いて再手術が必要なことがあります。予防のためエリザベスカラーやウェアーを着用していただきます。ただエリザベスカラーやウェアーをつけるとむれたり、ごはんの食べかすがついたりして皮膚炎や外耳炎が起こることがあります。定期的によく絞ったタオルで体を拭いてあげてください。
お風呂
傷口が癒合するまで、基本的にはお風呂には入れません。タオルで体を拭いてあげてください。足先やお尻周りなどが止むを得ず汚れてしまった場合、傷口が濡れないようにしていただき、洗っていただくことは可能です。
お散歩
お散歩は可能ですが、雨の日や泥だらけの場所での散歩など傷口が汚れるのは控えてください。激しい運動も控えてください。
肥満
年をとって手術をすると特に太りやすくなります。術後体調が落ち着いてからで良いですが、食事量に注意が必要です。
その他
その他、体調面でおかしい、心配なことがありましたら、ご相談ください。

歯科処置について

当院は予防歯科から歯石除去・抜歯など、お口に関するお悩みに対応しています。

近年、ワンちゃん、ネコちゃんのデンタルケアの重要性が取り上げられた報告が多数出されてきています。特に歯周病が多く、2歳までのワンちゃんでは80%、ネコちゃんでは70%で何らかの兆候を認めると言われています。
歯周病を放っておくと、歯周組織が破壊され、歯がダメになるだけでなく、歯の根っこから鼻にまで穴が開き慢性鼻炎になってしまったり、顎の骨が折れてしまったりすることもあります。また歯のトラブルが心臓・肝臓・腎臓をはじめ全身の臓器に悪影響を及ぼしてしまうケースが多数報告されています。さらに歯のケアを定期的に行っていくと寿命が伸びるという報告も出てきております。以上のことなどから当院では積極的なデンタルケア、特に歯磨きをオススメしております。歯磨きの方法についても相談させて頂いております。(場合によってはトレーナーさんを紹介させて頂いております。)

歯科処置の一例

人でもそうですが一生懸命歯磨きをしていても、少しずつ歯石が付着してしまいますので、定期的にクリーニングをオススメしています。全身麻酔をかけての処置となります。


  • ① 処置前

  • ② 超音波スケーラーで歯石除去
  • ③ 歯周プローブで歯周ポケットが
    深くなっていないかチェック
  • ④ 歯周ポケット内の歯石も除去
    (ルートプレーニング)
  • ⑤ 歯垢・歯石の再付着予防のため研磨
    (ポリッシング)


  • ⑥ 処置後

なるべく健康な歯を残していってあげたいのですが、歯周病が進んでしまった場合は抜歯が必要になるケースもあります。

麻酔のリスク

全身麻酔が不安だというお問い合わせがありますので、こちらではアメリカ麻酔外科学会全身状態(ASA-PS)分類に基づいたリスクについての過去の論文のデータを載せさせて頂きます。

麻酔のリスク

動物の状態 麻酔に関連した死亡のリスク
ある1施設の3年間のデータ 53施設の3年間のデータ
健康で目に見える疾患がない 不妊手術 緊急ではない手術など 0% 0.12〜0.18%
健康ではあるが局所疾患を伴う、もしくは軽度の全身性疾患を伴う 皮膚腫瘤 膝蓋骨内方脱臼など 0.12%
重度の全身性疾患を伴う 心雑音 貧血など 2.9% 3%以上
重度の生命に関わる全身性疾患を有する 心不全 腎不全 肝不全など 7.58%
瀕死状態、手術の有無に関わらず24時間以上の生存が期待できない ショック 多臓器不全など 17.33%

獣医療において、全身麻酔・鎮静処置はとても有用な処置です。上手に処置を行うことで、検査や各種処置を、動物も処置者も安全に行え、成績が上げられます。また動物の痛さや、苦しさ、怖さを取り除いてあげることができます。
有用な処置ではあるのですが、一方で上記のようなリスクがあるので、やるメリットが高いだろうとなった時に実施する処置だと考えています。

100%安全な処置を行いたい、万が一があって欲しくはないと、獣医師である私達も願っています。そうあるように努力をしているのですが、生き物を扱う以上どうしても、動物や飼い主さんにもですが、私達にも100%の保証というものがありません。処置をご検討の際は、こういう面もあるのだということをご理解頂ければと思います。また不妊手術などの緊急性の低い処置では、安全な処置を行うために、ご自宅でもできることがありますので、ご協力頂ければ幸いです。