

神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001

2026年9月13日
「さっきトイレに行ったばかりなのに、またトイレに行っている」
「何度もトイレに入るけれど、尿が少ししか出ていない」
「トイレにいる時間が長い」
「砂をかいているけれど、おしっこが出ている様子がない」
猫と暮らしていると、このような変化に気づくことがあります。
猫が何度もトイレに行っていると、単純に「おしっこの回数が増えた」と思ってしまうかもしれません。
しかし、猫の場合には、尿をたくさんしているのではなく、「尿を出したいのに出せない」状態になっていることがあります。
特に注意してほしいのが、
「何度もトイレに行くのに、尿がほとんど出ていない」
というケースです。
尿道閉塞などによって尿が出なくなっている場合、緊急の処置が必要になることがあります。
この記事では、猫が何度もトイレに行くときに考えられる原因や、ご家庭で確認してほしいこと、そして「尿が出ないとき」に注意してほしい理由について解説します。
猫が何度もトイレに行っているとき、最初に確認してほしいのは、
「実際に尿が出ているかどうか」
です。
例えば、
このような違いがあります。
特に、
何度もトイレに行っているのに、尿の塊がほとんどない
という場合には注意が必要です。
猫の排尿異常では、頻繁にトイレに行く、排尿時に力む、血尿が出るなどの症状が見られることがあります。
一方で、尿道が詰まっている場合には、尿を出そうとして何度もトイレに行くものの、尿がほとんど出ない、あるいは全く出ないことがあります。
ここは、飼い主さんにぜひ知っておいていただきたいポイントです。
例えば、
腎臓病などでは、尿を濃縮する力が低下して、尿の量そのものが増えることがあります。
この場合は、
「尿の量が多い」
ということが問題になります。
一方で、
膀胱炎などでは、膀胱や尿道に違和感があるため、何度も排尿姿勢をとることがあります。
この場合、
トイレに行く回数は多いのに、1回あたりの尿量は少ない
という状態になります。
さらに、
尿道が閉塞している場合には、
何度も排尿姿勢をとるのに、尿がほとんど出ない、または全く出ない
ということがあります。
この状態は特に注意が必要です。
猫が何度もトイレに行く原因には、さまざまなものがあります。
猫の排尿異常でよく見られる原因の一つです。
膀胱に炎症が起こると、
などの症状が見られることがあります。
猫では、細菌感染だけでなく、原因を特定できない特発性膀胱炎などもあります。
そのため、「膀胱炎っぽいから大丈夫」と自己判断するのではなく、尿検査などで原因を確認することが大切です。
尿の中にできた結晶や結石、尿道栓子などが尿路を刺激したり、尿道を塞いだりすることがあります。
尿路結石などでは、
などの症状が見られることがあります。
特にオス猫では、尿道が細いため、尿道閉塞につながることがあります。
今回の記事で、最も注意していただきたいのが尿道閉塞です。
尿道閉塞とは、膀胱にたまった尿が尿道を通って外に出せなくなっている状態です。
猫では、尿道栓子や結石などが原因となることがあります。
特にオス猫は、メス猫に比べて尿道閉塞を起こしやすいことが知られています。
初期には、
「何度もトイレに行く」
という、一見すると膀胱炎のような症状だけに見えることがあります。
しかし、
実際には尿が出ていない
ということがあります。
これは非常に大切なことなので、強調しておきます。
猫が何度もトイレに行っているのに、尿が出ていない場合は、様子を見ずに早急に動物病院へ相談してください。
完全に尿が出なくなると、体内に老廃物が蓄積していきます。
さらに、重度の尿道閉塞では高カリウム血症などの電解質異常が起こり、心臓のリズムに影響するなど、命に関わる状態になることがあります。
完全閉塞では、状態が急速に悪化することがあります。
そのため、
「朝は元気そうだったから、もう少し様子を見よう」
「何度もトイレに行っているけれど、少しは出ているから大丈夫だろう」
と考えてしまうのは危険です。
尿が出ているか分からない場合も、早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
猫の尿道閉塞で、飼い主さんが気づきにくい理由の一つに、
排尿姿勢と排便姿勢が似ている
ということがあります。
トイレの中でじっと力んでいる姿を見ると、
「便が出ないのかな?」
「便秘かな?」
と思ってしまうことがあります。
実際、尿道閉塞の猫で見られる排尿努力を、便秘だと勘違いしてしまうことがあります。
そのため、
「トイレで力んでいる=便秘」と決めつけないこと
が大切です。
「便が出ていないのか」
「尿が出ていないのか」
を確認してみてください。
猫に次のような変化があれば、動物病院での診察をおすすめします。
特に、
「何度もトイレに行く+尿が出ていない」
という組み合わせには注意してください。
さらに、
「尿が出ない+元気がない・食べない・吐く」
という状態であれば、より緊急性が高い可能性があります。
猫の頻尿や血尿、排尿困難の原因を調べるためには、症状だけでなく、身体検査や尿検査などを組み合わせて判断します。
必要に応じて、
尿の濃さ、血液、炎症、結晶などを確認します。
腎臓の数値や電解質などを確認します。
特に尿道閉塞が疑われる場合には、腎機能やカリウムなどの電解質を確認することが重要になります。
尿路結石などが疑われる場合に行います。
膀胱内の状態や膀胱壁、腎臓などを確認するために行うことがあります。
ただし、すべての猫にすべての検査を行うわけではありません。
症状や身体検査の結果を見ながら、必要な検査を組み合わせて原因を探します。
尿道閉塞が確認された場合には、まず猫の全身状態を確認します。
重度の尿道閉塞では、脱水や腎機能の異常、高カリウム血症などが起こっていることがあります。
その場合には、状態を安定させながら、尿の通り道を確保する処置が必要になります。
一般的には、カテーテルなどを用いて閉塞を解除し、膀胱から尿を排出させます。
状態によっては入院管理が必要になることもあります。
つまり、
「尿が出ないけれど、猫がまだ歩けているから大丈夫」
という病気ではありません。
見た目にはそれほど重症に見えない段階でも、体の中では異常が進行している可能性があります。
猫が何度もトイレに行っている場合、動物病院に相談する前に、可能な範囲で次のことを確認しておくと診察の参考になります。
「最後に普通の大きさの尿が出た時間」を確認しておきましょう。
いつもと比べて、
などを確認します。
血尿がないか確認します。
普段と比べて明らかに増えていないか確認します。
排尿異常だけなのか、それとも元気や食欲も落ちているのかを確認します。
吐いていないか確認します。
これらの情報は、動物病院で診察するときにも役立ちます。
多頭飼育の場合や、猫砂の種類によっては、
「どの猫が尿をしたのか分からない」
「尿の量が確認しにくい」
ということもあります。
その場合、
「尿が出ているか分からないから、もう少し様子を見る」
のではなく、排尿異常が疑われる場合は動物病院へ相談することをおすすめします。
特にオス猫で、
という状態であれば、尿道閉塞の可能性を考える必要があります。
猫は体調が悪くても、飼い主さんから見ると普段通りに見えることがあります。
そのため、
「元気はあるから大丈夫」
「ご飯は少し食べているから大丈夫」
とは限りません。
特に排尿については、
「何回トイレに行ったか」だけではなく、「実際に尿が出ているか」
を見ることが重要です。
猫が何度もトイレに行くようになったら、まず尿の量を確認してみてください。
そして、
尿が出ていない
ほとんど出ていない
出ているかどうか分からない
という場合には、様子を見すぎず、動物病院に相談してください。
猫が何度もトイレに行くときには、まず、
「本当に尿が出ているのか?」
を確認してください。
猫の頻尿や排尿困難には、膀胱炎や尿石症などさまざまな原因があります。
その中でも、
尿道閉塞は緊急性の高い病気です。
特にオス猫で、
という場合には、早めの受診をおすすめします。
「尿が出ていないかもしれない」
と感じたら、「もう少し様子を見よう」とせず、まず動物病院へご相談ください。
横浜もみじ動物病院でも、猫の排尿異常について診察しています。
当院は予約優先制ですが、予約なしでも診療を受け付けています。緊急性がある場合には、状況に応じて対応しますので、まずはお電話でご相談ください。
膀胱炎、尿石症、特発性膀胱炎、尿道閉塞など、さまざまな原因が考えられます。
単純に尿の量が増えている場合だけでなく、「尿を出したいのに出せない」ために何度もトイレに行っている場合があります。
まずは実際に尿が出ているか確認することが大切です。
少し尿が出ているからといって、必ずしも問題がないとはいえません。
膀胱炎や尿石症などでも、何度もトイレに行って少量しか尿が出ないことがあります。
特に、いつもより明らかに尿が少ない、排尿時に痛そう、血尿があるなどの場合には、動物病院での診察をおすすめします。
尿が出ていない場合は、時間を決めて様子を見るのではなく、できるだけ早く動物病院へ相談してください。
完全な尿道閉塞は緊急疾患で、時間の経過とともに全身状態が悪化する可能性があります。
はい。オス猫はメス猫に比べて尿道が細く、尿道閉塞を起こすリスクが高いことが知られています。
猫では排尿時の姿勢と排便時の姿勢が似ているため、尿道閉塞による排尿努力を便秘と勘違いすることがあります。
便だけでなく、尿が実際に出ているかも確認してください。
血尿があっても元気そうに見えることはありますが、膀胱炎や尿石症などの可能性があります。
特に頻尿や排尿時の痛み、尿量の減少などを伴っている場合は、一度動物病院で診察を受けることをおすすめします。
尿道閉塞が起きている場合は、閉塞を解除して尿の流れを回復させる処置が必要です。
同時に、脱水や腎機能、電解質など全身状態を確認し、必要な治療を行います。状態によっては入院が必要になることもあります。
可能であれば新鮮な尿を持参できる場合もありますが、尿が出ていない可能性がある場合は、尿を採取することに時間をかけないでください。
まずは受診を優先してください。
猫の排尿異常は、腎臓や尿路の病気とも関係します。
当院では、猫の腎臓病についても解説しています。
症状が一つだけではなく、「食欲が落ちた」「水を飲む量が増えた」「尿の量が変わった」など複数の変化がある場合には、まとめて獣医師に伝えることが大切です。
横浜もみじ動物病院
獣医師 中西 啓介