

神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001

2026年9月12日
「いつもは喜んでご飯を食べるのに、今日は全然食べない」
「大好きなおやつも食べないけど、少し様子を見ても大丈夫?」
「犬が急にご飯を食べなくなったけど、動物病院に行ったほうがいい?」
犬と暮らしていると、このような経験をすることがあります。
犬がご飯を食べない原因は、単なる食欲のムラや環境の変化から、胃腸炎、歯や口の痛み、膵炎、腎臓病、肝臓病、異物誤食など、さまざまです。
特に注意したいのは、「ご飯を食べない」という症状だけでは、原因の重さを判断できないことです。
この記事では、犬が急にご飯を食べなくなったときに考えられる原因や、様子を見てもよいケース、早めに動物病院を受診したほうがよいケースについて解説します。
犬がご飯を食べないときは、まず「食べない」ということ以外に変化がないか確認してみましょう。
普段と変わらず元気に歩き回っているのか、それとも寝ている時間が明らかに増えているのか。
食欲だけが落ちているのか、元気もなくなっているのかは重要なポイントです。
水を普段通り飲んでいるかも確認しましょう。
ご飯を食べないだけでなく、水もほとんど飲まない場合には、脱水などにも注意が必要です。
食欲不振と一緒に、
などがないか確認しましょう。
食欲不振に消化器症状が加わっている場合には、単なる食欲のムラではなく、胃腸の病気などが隠れている可能性があります。
「触ると嫌がる」
「お腹を丸めている」
「祈るような姿勢をする」
「落ち着かず、何度も姿勢を変える」
などがないか確認してください。
犬は痛みを言葉で伝えることができません。
食べないことが、痛みのサインとして現れている場合もあります。
いつものドッグフードは食べないけれど、おやつは食べるという場合もあります。
この場合、単純な食欲低下ではなく、
などの可能性も考えられます。
ただし、「おやつを食べるから病気ではない」とは限りません。
病気の初期には、食欲が少し落ちているだけということもあります。
犬の食欲不振にはさまざまな原因があります。
元気があり、その他に目立った症状がない場合には、
などによって一時的に食べなくなることがあります。
例えば、旅行や引っ越し、ホテルに預けた後など、普段と違う環境がきっかけになることもあります。
胃腸炎などによって食欲が低下することがあります。
食欲不振に加えて、
などが見られる場合は注意が必要です。
「食べたいのに食べられない」というケースもあります。
例えば、
などです。
「ご飯を食べない=胃腸の問題」とは限りません。
特に、
食べ物を口に入れようとするけれど途中でやめる
硬いフードを嫌がる
食べにくそうにする
といった様子があれば、口の中の痛みも考える必要があります。
犬では膵炎によって食欲が低下することがあります。
食欲不振に加えて、嘔吐や下痢、腹痛、元気消失などが見られることがあります。
特に、
「急に食べなくなった」+「元気がない」+「吐く・お腹が痛そう」
という場合には、単純な食欲のムラだと決めつけないことが大切です。
犬が何かを食べてしまった後に食欲がなくなった場合は、異物誤食にも注意が必要です。
おもちゃ、布、ビニール、紐、骨など、犬が誤って飲み込んでしまうものは少なくありません。
異物によって消化管が詰まると、
などの症状が見られることがあります。
異物誤食は、「そのうち便と一緒に出てくるだろう」と様子を見ているうちに状態が悪化することがあります。
「何か食べたかもしれない」という場合には、早めに動物病院へ相談しましょう。
食欲不振は、胃腸だけの問題とは限りません。
腎臓病や肝臓病など、全身の病気でも食欲が低下することがあります。
特に、
など、以前から別の変化がある場合には注意が必要です。
ここは飼い主さんから非常によく聞かれる質問です。
元気があり、水も飲めていて、嘔吐や下痢などの症状もなく、普段と大きく変わらない場合には、1食程度食べないだけで必ずしも緊急というわけではありません。
ただし、犬の年齢や持病、普段の食欲などによって判断は変わります。
例えば、
などでは、食欲不振を長く様子見しないほうがよい場合があります。
また、「何時間食べなかったら絶対に大丈夫」という明確な基準があるわけではありません。
食べない時間だけではなく、犬の全身状態を見ることが大切です。
次のような症状がある場合は、様子を見すぎず動物病院への受診をおすすめします。
いつもなら動き回る時間なのに、ずっと寝ている。
呼びかけへの反応が悪い。
散歩に行きたがらない。
このような場合は注意が必要です。
何度も吐いている場合や、水を飲んでも吐いてしまう場合は、早めの診察が必要です。
下痢が続いている、血便が出ている、便の状態が明らかにおかしい場合も受診を検討しましょう。
お腹を丸める、触られるのを嫌がる、落ち着かない、祈るような姿勢をするなどの場合は、腹痛を伴っている可能性があります。
ご飯だけでなく水もほとんど飲まない場合には注意が必要です。
「何を食べたかわからないけれど、何かを口にしていた」
という場合も、早めに動物病院へ相談しましょう。
飼い主さんに覚えておいていただきたいのは、
「食べないこと」そのものよりも、「食べない+何か別の症状がある」ことです。
例えば、
| 食欲 | その他の様子 | 対応 |
|---|---|---|
| 食べない | 元気・水分・排便など普段通り | 短時間なら様子を見られる場合も |
| 食べない | 元気がない | 早めに受診 |
| 食べない | 嘔吐・下痢 | 早めに受診 |
| 食べない | 腹痛がありそう | 早めに受診 |
| 食べない | 水も飲まない | 早めに受診 |
| 食べない | 異物を食べた可能性 | 早めに相談 |
| 食べない | ぐったりしている | できるだけ早急に受診 |
もちろん、これはあくまで目安です。
犬の年齢や体格、持病、症状の程度によって判断は変わります。
食欲不振で来院した場合、まずは飼い主さんから、
などをお聞きします。
そのうえで身体検査を行い、必要に応じて血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを組み合わせて原因を探していきます。
特に異物誤食や消化管のトラブルが疑われる場合には、画像検査が重要になることがあります。
犬は体調が悪くても、初期にはそれほど明らかな症状を見せないことがあります。
「昨日まで普通だったのに、今日はご飯を食べない」
という変化が、病気の最初のサインになっていることもあります。
一方で、1食食べなかったからといって、必ず重い病気というわけでもありません。
大切なのは、
「食べない」という症状だけを見るのではなく、元気・水分・嘔吐・下痢・排便・排尿・痛みなどを一緒に観察することです。
犬が急にご飯を食べなくなったときには、まず以下を確認してみましょう。
食欲だけが一時的に落ちていて、元気や水分摂取などが普段通りなら、短時間であれば様子を見られるケースもあります。
しかし、
「食べない+元気がない」
「食べない+吐く」
「食べない+下痢」
「食べない+腹痛」
「食べない+水も飲まない」
「異物を食べた可能性がある」
といった場合には、様子を見すぎず動物病院へご相談ください。
「これくらいで病院に行っていいのかな?」と思われる程度でも、心配な場合は一度ご相談いただくことをおすすめします。
犬の食欲不振は、単なる食欲のムラから治療が必要な病気まで原因がさまざまです。
愛犬の「いつもと違う」という変化を大切にしてあげましょう。
横浜もみじ動物病院
獣医師 中西 啓介