ブログ|横浜もみじ動物病院|都筑区仲町台|犬猫|鍼灸・漢方・ペットホテル

045-532-9779

045-532-9779

横浜もみじ動物病院ネット予約
〒224-0041

神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001

診療時間
9:00~12:00
15:00~19:00

休診日:水曜
:院長診療は予約優先制です。予約なしでも受診いただけます
:完全予約診療・初診の方は18時、再診の方は18時30分が最終受付となります(急患の場合はご相談ください)

診療時間外は夜間病院へご相談ください

診療時間外診療

ブログ
ブログ
ブログ

《予防》犬猫の健康診断って何をしたら良い?〜健診の限界と意義〜 (要約版)

2026年3月12日

去年の秋、山下公園で開催された獣医師会の無料相談会に参加しました。午前中だけでも何人もの飼い主さんとお話できて、とても新鮮で楽しかったです。

その中で多かった質問が、「そろそろ歳をとってきたので、健康診断をしたいけれど、何をしたら良いですか?」という内容でした。今回はこの質問に基づき、私見も交えて犬猫の健康診断についてまとめてみます。


なぜ犬猫の健康診断は人と違うのか

人の場合、仕事や法律に基づき、定期健康診断やがん検診の受診が決まっていることがあります。学生さんや働いていない方でも、市町村から検診案内が届くことがあります。

一方、犬猫には法律で決まった定期検診はありません。ペットショップやブリーダーなどの業者では獣医師による定期健診が義務付けられていますが、一般飼い主さん向けは「推奨レベル」に留まります。

明確な公的な答えがないため、「何をしたら良いですか?」という質問が自然に出るわけです。


推奨される健康診断の内容

日本獣医師会の指針

  • 年1回の定期健康診断を推奨

  • 例として以下の項目が挙げられます:

    • 体重・体温・心拍・呼吸

    • 血液検査(肝臓・腎臓・貧血など)

    • 尿検査

    • 便検査

    • 歯・口腔・皮膚・耳・目のチェック

  • 高齢犬・猫はより詳細な検査が推奨されます

アメリカ獣医師会(AVMA)の推奨

  • 健康な犬・猫:年1回

  • 高齢ペット:年2回以上が望ましい

  • 内容例:

    • 体重、体温、心拍、呼吸

    • 歯・口腔・皮膚・耳・目

    • 血液・尿・便検査

    • 必要に応じて心臓や腫瘍のスクリーニング(※症状のない健康な動物から病気の疑いを選別する検査)

研究によれば、定期的に健康診断を受けている犬猫は、そうでない子よりも長生きする傾向があります。


コスパ重視のおすすめ順

私見を交えると、健康診断でまず重視すべきは「問診と身体検査」です。
腕の良い獣医師なら、これだけでもかなりのことを見抜くことがあります。

次におすすめは「血液検査+尿検査」です。犬猫の三大死因は順序は異なりますが、①がん、②心臓病、③腎臓病です。

  • 心臓病は聴診で早期発見できることが多い

  • 腎臓病は血液・尿検査が最も有効で、近年ではSDMAやシスタチンCなど、早期発見に役立つ項目もあります

さらに余裕があれば、レントゲン検査や超音波検査もおすすめです。若いうちに先天的な問題の有無を確認したり、年齢を重ねた時に比較対象として役立ちます。

便検査は、特に子犬・子猫や外猫の場合に寄生虫の確認として重要です。

歯科検診も重要です。こちらは別のブログを参考ください。


健康診断の限界

健康診断でできることは、あくまで検査ごとの範囲内です。

  • 血液検査でわかるのは血液の情報だけ

  • 骨折や一部の臓器の問題は、血液検査だけではわかりません

  • スクリーニングで「怪しい」とわかっても、確定診断には生検(細胞や組織の顕微鏡検査)が必要です

「全ての病気が一回の健診でわかる」と考えるのは間違いです。しかし、それでも様々な病気の早期発見につながり、健康寿命や寿命を伸ばす助けになります。


がんの健診について

がんマーカーは存在しますが、「陽性=今がんがある」ではなく、「陰性=がんなし」とも限りません。そのため、単独での確定診断には使えません。

  • 急速に進行する悪性腫瘍(乳腺癌、リンパ腫、脾臓血管肉腫など)は、発見時には末期の場合もあります

  • 健康診断の主な目的は、こうした急速進行がんの早期発見ではなく、リスク評価や生活習慣病の早期発見です

  • しかし、悪性度の低いがんや、幸運にも早期に発見できるケースもあり、健診の意義は十分にあります


まとめ

  • 犬猫の健康診断は法律で義務付けられていないため、内容は病院や獣医師によって異なります

  • 基本は年1回の問診・身体検査・血液検査・尿検査・便検査

  • レントゲン・超音波は余裕があれば追加

  • 歯科検診も重要
  • 健診には限界がありますが、早期発見・健康寿命延伸に大きな意義があります

  • がんマーカーやCTだけに頼らず、総合的に評価することが大切です