神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001
2023年8月21日
猫ちゃんもワンちゃんと同様に歯周病になります。
歯周病になると、痛みや、よだれ、口臭、進行すると食欲不振といった症状が認められます。
猫ちゃんは口の中の痛覚が敏感と言われているため、歯周病になると痛みを強く感じているとされていますが、猫ちゃんは症状を隠すことがとても得意で、飼い主さんが中々気付けないことが多いです。
実際に当院で歯周病の治療をした後に、普段からあまりゴハンを食べず、痩せていた子が、みるみる食欲が増し、ふっくらとした健康的な猫ちゃんになったという経験があります。これは歯周病で痛くてうまく食べられなかったのだろうと考えられます。
歯周病は、歯周病菌により顎の骨が溶ける病気で、本人の不快感も問題ですが、腎臓病に大きく関与しているのではないかというデータが出ており、歯のケアは猫ちゃんの健康寿命だけではなく、寿命にも大きく影響があるのではないかと考えられます。猫ちゃんの歯のケアはワンちゃん以上に大変なのですが、やってあげられそうでしたら、積極的に考えてあげると良いです。
◯歯周病の猫ちゃんのお口の中の写真
↑ 歯周病の猫ちゃんの歯
水色の丸の歯は明らかに歯の周りが赤くて、歯自体もぐらついています。
青色の丸の歯は一見問題なさそうに見えますが、下のようにレントゲンを撮ってみると顎の骨が溶けていることがわかります。視診である程度の重症度がわかることもあるのですが、レントゲンを撮らないとわからないことも多々あります。
↑ 両方とも顎の骨が溶けています。水色の丸はかなり痛々しいですね。触るととても嫌がります
↑ 実はこの歯も歯周病です。猫の犬歯の歯周病は、なんと歯が伸びたように見えます。
↑ 犬歯の周りの骨(上顎の骨)が溶けていることがわかります。
このままだと、痛みが続き、他の歯や体にも悪影響が出るため、これら全ての歯は抜きました。
歯がなくても大丈夫なの?ゴハンは食べられるの?というご質問をよくお受けするのですが、市販のキャットフードはドライフードでも問題なく食べられます。逆に痛みが取れて、盛り盛り食べるようになって、太っちゃったという子もいます。