ブログ|横浜もみじ動物病院|都筑区仲町台|犬猫|鍼灸・漢方・ペットホテル

045-532-9779

045-532-9779

横浜もみじ動物病院ネット予約
〒224-0041

神奈川県横浜市都筑区仲町台5丁目2−25
ハスミドミトリー001

診療時間 月 火 水 木 金 土 日 祝
9:00~12:00 /
15:00~19:00 /

休診日:水曜
:院長診療は予約優先制です。予約なしでも受診いただけます
:完全予約診療・初診の方は18時、再診の方は18時30分が最終受付となります(急患の場合はご相談ください)

診療時間外は夜間病院へご相談ください

診療時間外診療

ブログ
ブログ
ブログ

犬が足先をなめ続ける|アレルギーや皮膚炎の可能性

2026年10月22日

今年も山下公園にて、動物愛護フェスタに参加してきました。

朝他にも用事があったため、山手や元町の辺りを1時間くらい歩いてからの参加でした。お天気も良く、まだ開店前のお店の多い商店街を歩くのは中々新鮮で、神社にもお参りをして、なんだかちょっと得をした気分になりました。

動物愛護フェスタには、横浜市獣医師会の一員として参加しました。横浜市の獣医師会は、人によって色々と感想は違うかもしれませんが、町内会みたいなものです。私がお手伝いしていることは、ほぼボランティアみたいなもので、区民祭りや動物愛護フェスタなどで無料相談員をやったり、小学校飼育動物の指導を行ったりしてます。あと学術委員もやっており、獣医師や動物看護師向けですが、それ以外の方も参加できるセミナーを年に数回開催するお手伝いをしています。

話はだいぶ脱線したのですが、無料相談員をした時の相談事でなぜかほぼ毎回ある「足先を舐めるんです。」について、今回は書かせて頂こうと思います。

 

「うちの子足先を舐めるんですが、何故なんでしょう?」

これは色々と原因が考えられますが、まずは大まかに①本人が何かしらの違和感を感じているパターンと、②特に足先には違和感はない精神的な問題のパターン、が考えられます。

①には、かゆい、痛い、痺れている等、心配になる違和感のケースもありますが、ごはん粒(例えです)がついている、濡れていて気持ち悪い、ご家族がつけてくれたクリームが美味しい、ご家族がつけてくれた保湿剤が素敵な匂いがする等もあります。

②には、暇だなと思っていたら足先の毛が丁度跳ねていて、なんか気になった。なんだかイライラ・ソワソワするから足先を舐めてみた。等が考えられます。

どれなんでしょう?

本人が話してくれると、すぐにわかることなんですが、たぶん私を含め多くの獣医師はワンちゃんから、「いやー実は、足先が昨日から痒いんですよね」とか、「なんかこの毛の角度がですね。どうにも気になって仕方がないんです。」とか、聞き出すことが難しいんです。こんな時、自分もドリトル先生だったら便利なのにと良く思います。

そう、わからないんです。

わからないので、ご家族からの詳しいお話を聞いて、足先を見て、触って、時には臭いを嗅いでみて、場合によっては皮膚の検査(皮膚の表面にばい菌がいないかテープでペタペタして顕微鏡で見るとか)をしてみたり、痒そうかな?ということであれば、試しに痒み止めをやってみて頂いたりして、原因を追求していきます。

実に地味なんです。

 

相談を受ける際、獣医師サイドの私としては、どこまでやることが、本人にとって、そしてご家族にとって良いことなのか?ということを、いつも一生懸命考えています。

仮に原因が、痒みだとしたらアレルギーなのか?アレルギーの中でもアトピーだとしたら、基本的には緩和ケアとなるので、本人がどれくらい苦痛を感じているか、痒みが強いようであれば、皮膚が一見綺麗であっても、生活に支障が出ているので、ケアしてあげた方が良いなとか。食物アレルギーだとしたら、放っておくと足先だけじゃなく、お腹の調子も悪くなって、どんどん悪化すると、大きな病気の原因となるのではないかとか。

痛みや痺れであるのであれば、それはもちろん可哀想だし。早く改善させてあげたいな等、さまざまなことを考えています。

 

ご相談をしていただく際に、チェックしておいて頂きたいことが色々とあるのですが、今回は特に「痒みのスケール・VAS」についても書いてみようと思います。

前述の通り、人間もですが、動物がかゆいのかどうかは、本人しかわからないことです。

その本人にしかわからないことを、見た目で評価してみようという指標です。

痒みのスケール・VASって何?

VASは「Visual Analog Scale」の略で、もともとは人間の痛みなど、本人にしかわからない感覚を評価するために使われる指標です。

動物の場合、本人に「どれくらい痒い?」と聞くわけにはいきません。そこで、実際にどれくらい体を掻いているか、舐めているか、生活にどの程度影響が出ているかなどを、ご家族に観察していただくことが大切になります。

例えば、足先をたまにペロッと舐める程度なのか、それとも何度も舐め続けて、声をかけてもなかなかやめないのか。

あるいは、舐めることが気になって眠れない、遊びに集中できない、散歩中にも足先を気にしている、といった違いもあります。

皮膚が赤くなっているかどうかだけでは、痒みの強さは判断できません。見た目にはきれいな皮膚でも、本人はかなり痒いと感じていることがあります。

逆に、皮膚が赤くなっていたとしても、必ずしも現在の痒みが強いとは限りません。

ですから、診察の際には、皮膚の状態だけでなく、ご家族が普段の生活の中で感じている変化も大切な情報になります。

 

私個人としては、0〜10でご家族に評価をして頂いております。

以下を参考にして、どのレベルかを教えて頂けると、とてもとてもありがたいです。

0:全くかいていない。

1

2:1日の中でたまに(数回)かいていることを見かける(気がする)。←個人的にはアトピーの場合は、できたら0にしてあげたいけれども、綺麗な皮膚をキープして、これより下の痒みでコントロールできていたら、良好と考えています。

3

4:2と6の間くらい。←2だと何かのついでのご相談が多いけれども、4は「うちの子が痒そう」ということで病院に来られる方が多くなり始める印象。

5

6:1日の中で定期的にかいている。←痒そうだと気付く方がとても多くなり、受診される方が増える印象。

7

8:散歩中、楽しいことの途中でもかくことがある。夜寝ていても途中で起きてかくことがある。ごはんの途中でもかくことがある。←生活に大きく支障が出ていると思われる印象。

9

10:一日中かいている。診察室で緊張しているはずなのに、我慢できずかいてしまう。←可哀想だから早くなんとかしてあげたいと思う。

 

足先を舐める様子を、少しだけ観察してみてください

もし愛犬が足先を舐めていたら、次のようなことを確認してみてください。

  • いつから舐め始めたのか
  • 右足だけなのか、左足だけなのか、それとも複数の足なのか
  • たまに舐める程度なのか、長い時間舐め続けるのか
  • 寝ているときや遊んでいるときにも舐めるのか
  • 足先が赤くなっていたり、毛が茶色く変色したりしていないか
  • 歩き方に変化がないか、触ると嫌がらないか

こうした情報は、原因を考えるうえでとても役立ちます。

可能であれば、舐めている様子を動画に撮っておいていただくのもおすすめです。診察室では普段の行動が見られないこともありますから、動画が参考になる場合があります。

もちろん、これだけで原因がわかるわけではありません。ただ、原因を探すための大切な手がかりになります。

 

どんなときに動物病院へ行けばいい?

足先を一度舐めただけで、すぐに病気を心配する必要はありません。

ただし、何度も繰り返す、長い時間舐め続ける、皮膚が赤くなる、毛が抜ける、腫れる、出血する、といった変化があれば、一度診察を受けることをおすすめします。

また、足を地面につけたがらない、歩き方がおかしい、触ると強く嫌がるといった場合には、痒みだけでなく、痛みやケガなどが原因になっている可能性もあります。

大切なのは、舐めているという行動だけで原因を決めつけないことです。

 

原因がわからないからこそ、丁寧に調べます

獣医師としては、足先を舐めている理由がわかれば、それに合わせた治療や対応を考えることができます。

しかし、実際には一度の診察だけでは原因を特定できないこともあります。皮膚の検査をしたり、経過を観察したり、必要に応じて治療への反応を確認したりしながら、少しずつ原因を絞り込んでいきます。

その際に大切なのは、検査をたくさんすること自体が目的ではない、ということです。

どこまで調べることが本人の負担を減らすことにつながるのか。ご家族にとって無理のない方法は何か。そして、今の症状が本人の生活にどれくらい影響しているのか。

そうしたことを考えながら、一緒に治療方針を決めていきたいと思っています。

犬が足先を舐める理由は、本人に聞いてみないとわからないことばかりです。

残念ながら、私はまだドリトル先生にはなれていません。

だからこそ、ご家族から普段の様子を教えていただき、診察をして、必要な検査を行いながら、少しでも本人にとって良い方法を探していきたいと思っています。

愛犬が足先を舐めることが気になったら、ぜひ普段の様子を教えてください。