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《予防》ノミ・マダニ感染症①「ノミについて」

2018年10月15日

うちの動物病院の前の通りには街路樹があるのですが、涼しくなり葉が落ち始めています。毎朝せっせと落ち葉を集めているのですが、あら不思議、昼頃には元通りになっています(悲)。まあ仕方ないですね。落ち葉と言えば、小さい頃集めた落ち葉でたき火をして、親に焼き芋を作ってもらったのですが、自分も親になり、そういうことをしたいなと最近思います。

先日業者さんを院内に招いて、「ノミ・マダニ予防」に関してのセミナーを実施して頂きました。最近ノミ・マダニ予防の新薬が発売されましたので、そちらの宣伝も兼ねた物でした。

セミナーを聞いて、また普段の診療を振り返り、色々感じたことがありましたので、書いてみようと思います。最初はノミについてです(ちょっと気持ち悪いかもです)。

ノミは昆虫です(詳しい分類は節足動物門昆虫綱ノミ目)。ヒトノミ、イヌノミ、ネコノミが日本での有名所なのですが、動物病院で出会うのは圧倒的にネコノミが多いです。イヌノミ、ネコノミと名前がついていますが、人、犬、猫、鳥、タヌキなどなど大体の動物にはイヌノミやネコノミがつきます。イヌノミとネコノミの差は、成虫で顔が丸いのがイヌノミで、シュッと尖っているのがネコノミだそうです。これはテストに出ますので、関係者は要チェックです。

↑ネコノミの成虫「イラストでみる猫の病気」から

ノミは昆虫なので卵を産みます。ノミ成虫の寿命は大体3〜4週間で、雌は1日4〜20個、そして一生の内に200〜400個の卵を産むそうです。卵は動物が毛繕いするような場所に多く、2〜3日で2〜3mm程の幼虫がふ化します。幼虫は成虫と違って白色のウジ虫で(国家試験の写真問題で出ました)、吸血はせずに主に成虫の糞を食べて成長し、数回脱皮してさなぎになります。成熟した幼虫は糸をはいて近くのゴミを集め繭を作り、その中で蛹になり、5〜10日間過ごします。蛹は繭の中で脱皮して成虫となりますが、成虫はすぐには蛹から脱出せずに、ネコや人など動物が通りかかるのを待つようです。ちなみに卵から成虫になるまでの期間は、早いと2〜3週間、長いと1年以上かかるそうです。成虫となるとネコノミは原則的に一生を動物の体で吸血を繰り返しながら過ごします。

↑ノミの卵「イラストでみる猫の病気」から

↑ノミの幼虫「イラストでみる猫の病気」から

↑ノミの蛹「イラストでみる猫の病気」から

 

次にノミが何故問題であるかということなのですが、①ノミの吸血自体の問題、②ノミが媒介する病気の問題、③公衆衛生の問題が挙げられるかと思います。

①ノミの吸血自体の問題は、そのままノミが吸血することからの問題で、皮膚炎が起こったり、重度のノミ寄生の患者さんは貧血を起こして危険な状態になるケースもあります。後者は大体ノラ猫(地域猫)ちゃんで、何かしらの原因で体調を崩して、ノミが多量に寄生してしまったケースで見られます。室内飼いの猫ちゃんでも数回経験があります。駆虫薬と一緒に物理的に除去していくと200匹位寄生しているケースもありました。

②ノミが媒介する病気の問題は、瓜実条虫(お腹の虫の一種)とノミアレルギーが代表的かと思います。これらは人でも問題となります。

③公衆衛生の問題、ノミはワンちゃん、猫ちゃんだけではなく、人の健康にも問題となります。ノミ自体が人を刺すこともありますし、②でも述べましたが、瓜実条虫は人にも感染する可能性があります。ノミアレルギーも人でも発症することがあります。その他、猫ひっかき病の病原体を媒介している可能性があるともされています。猫ちゃんに噛まれたり、ひっかかれたりすると、傷の周囲がパンパンに腫れ上がって、熱が出てしまうことがあります。噛まれたりひっかかれたりしましたら、しっかりと消毒して、動物病院ではなく、人の病院に早めにかかるようにしてください。(ちなみに「動物に(私が)噛まれました。どうしたら良いですか?」というお問い合わせは動物病院あるあるです。)

続いてノミの検出方法についてです。眼の良い方は毛をかきわけた時にササササッと素早く動きまわるゴマ粒のようなノミを見つけることが出来るかもしれません。ノミ取りグシを使ってみても良いかもしれません。ですが数匹の寄生ですと中々見つけられないこともあります。そんな時はクシをかけてみて、1mmにも満たないような小さな黒い粒が取れないかチェックしてみてください。更にこれを濡らしたティッシュの上に置いて、少し揉むように湿らせてみて下さい。もしティッシュが赤くなるようでしたら、ノミ糞の可能性が高いです。つまりノミがいる可能性が高いです。ノミの駆除をオススメします。

最後に、ノミ感染の子は、もちろんノラ猫ちゃんや外出する猫ちゃんで多いですが、不思議なことに室内飼いの子でも感染することがあります。飼主さんの体や、鳥の体からベランダ等について侵入するのではと言われています。ちなみにノラ猫ちゃんの不妊手術をしているとよくわかるのですが、暖かい時期はほぼ100%います。1、2月でも時々見かけます。あと残念なことに、ペットホテルやトリミングに行ってからノミがついたかも?と言われてご相談に来られるケースもあります。こういったトラブルがあるので予防薬を義務化している施設も増えてきています。猫ちゃんのため、公衆衛生のため、またマナーとして出来ましたら、積極的なノミ予防をおすすめします。新しい薬も出てきていますので、かかりつけの先生とご相談してみて下さい。